オットがウツになったワケ

オットは、従業員を抱える自営業者です。

起業時は4~5人、発病時には10人以上の従業員を抱える、自営業者でした。
経営的には大成功!ではないものの、悪くもなく、何とかやりくりできる
経営状態だったにもかかわらず、オットはうつになりました。

頼っていた人材が退職し、その後の数カ月頼るポジションの人間が定着せず、
その間に諸因により売上が低下し、オットは「壊れ」たのだと思います。
一人で抱え込んでいたわけです。

オットはプライドが高く、人に口出しされるのがキライで、
だから自営業者になったタイプなのです。
発病前、何度となく数字の整理をするよと持ちかけても
うるさい、構うな、口出すなと怒られるだけでした。

発病当初は、そうは思わなかったのですが外的要因もあるけれど、内的要因も大きい。

以来、仕事と子育てと家事に追われ、オット事業人に頭を下げ、金策に走り、
金勘定に頭を痛め、オット事業の従業員の言動に傷つき、歯を食いしばってきた今
オットが「壊れた」のも無理ないなぁと

でも、これ、誰のせいでもないんです、多分。
結果なのです。

と、いうのは、しばらくのちに導き出したことでして。
当初、私は「オットが一人でがんばってしまったからだ」と
内助の功が足りなかったのだとばかりに、目一杯、オットの仕事を肩代わりしました。
というのも、発病の当初「うつ病は必ず治る!」と見聞したものだから、
母業・自分の仕事・オットの仕事の肩代わりという3足のわらじを履けば、

やがて道が見えてくると信じていたからです。

そしてきました。

オット廃業という選択肢を取らなかったのは、返済しなければいけない借金もあるし、
オットに「リスタート」は困難だからと考えたから。
事業はオットの、まさに「すべて」なのです。
全身全霊を賭けて立ち上げ、続けてきたもの。人の問題等があり、
事業が原因でうつ病になったとはいえ、事業を失ったらオットの「帰る場所」が
なくなってしまうと考えたのです。

事業がうつの原因なら、復職は酷だろ?」と思うかもしれません。

でも事業主として10年以上「俺様」だった50代のうつ病のオットは、
もともと新しいことに取り組む意欲も、PCスキルもありません。
非好奇心旺盛で、PCを使えない(使いたくない)人間であり、
でもプライドはとても高く、うつ病3年目の今なお、すべてを絶賛拒絶中です。
手がけている事業の同業他社への転職も、リスタート転職も、そして復職も。

廃業したとしても、オットの事業の膨大な借金を返しながら、
働かないオットを養って家族3人で暮らせる収入は、
恥ずかしながら、ワタシには稼げませんでした。

だから、とにかく歯を食いしばるしかなかったのです。